第52章 神に対抗するバラム
「私はあなたを他の所へお連れしましょう。神は、あなたがそこから私のために彼らを呪うことを許されるかもしれません。」とバラク王は言いました。そこで地図にも出ていますが、ぺオルというもう一つの高い山の上に行きました。ここでもバラク王は、イスラエルの神を喜ばせるためにいけにえを捧げました。この高い所からイスラエル人の天幕がモアブの平野に広がっているのがみな見えます。
神の霊がバラムにのぞみ、バラムは恍惚状態に陥りました。というのは夢の中で話しているように話始めたのですが、その目は開いています。彼は詩を語りました。「ヤコブよ、あなたの天幕は麗しい。イスラエルよ、あなたの住まいは麗しい。あなたを祝福する者は祝福され、あなたを呪うものは呪われるであろう。」
イスラエルを祝福するのを聞いてバラクは激怒しました。「敵を呪うために招いたのに、あなたはかえって3度までも彼らを祝福した。それで今あなたは急いで自分のところへ帰ってください。私はあなたを大いに優遇しようと思った。しかし、もう何もあげません。」と言いました。バラムはもう一度「私は言ったではありませんか。たといバラクがその家に満ちるほどの金銀を私に与えようとも、主の言葉を越えて心のままに善も悪も行うことはできません。私は主の述べることを述べるだけです。」と答えました。それから続けて「私は今、私の民の所に帰ります。それで、これからどんなことが起こるかお知らせしましょう。」と言い、神様が彼の口に入れた素晴らしい言葉を語りました。
彼はもっと素晴らしいこと、すなわち、世の救い主であるイエス・キリストの来られることを語りました。「ヤコブから一つの星がで、イスラエルから一本の杖が起こる。」と言いました。前にも言ったようにバラムは真の神を知り、そのみ声も聞いていましたが良い人ではありませんでした。彼はバラク王のために預言しながら、ただ神様がその口に入れられた言葉を語っていたに過ぎません。彼は王の約束した宝が欲しいのでイスラエルの民を呪いたかったのですが怖くて呪えませんでした。彼はまた、大そう悪いことをしました。あるいは、バラク王が約束したお金を、幾分でももらうためにしたのかもしれません。彼は、ミデアン人たちの間に行って、「イスラエルの神がその民を怒り、その民を滅ぼすようにする方法を教えてあげよう。イスラエルの民を訪ねて仲良くしなさい。彼らと結婚するのも良い。そして、友だちになったら彼らをあなたがたの偶像の祭りに招きなさい。また、あなたがたの神、バアル・ペオルを拝むように誘いなさい。そうすればその神は民を怒り、民を殺されるでしょう。」と言いました。これは随分悪いことではありませんか。バラムは、イスラエル人にミデアン人の偶像を拝ませようとミデアン人のところに留まりました。イスラエルの民がこの偶像を拝みだすと、主はバラムの言ったとおりに怒られました。そして、偶像礼拝を罰するためにイスラエルの間に疫病を送られました。このため、24,000人の者が死にました。
第53章 イスラエルの人数調査2回目
民はモアブの地に陣をはりました。ヨルダン川のちょうど向かい側には、エリコの町があります。40年はほとんど終わり、民は海を渡って約束の地に入るようにとの神様の命令を待っていました。しかし、その前にしなければならないことがありました。モーセと新しく大祭司になったエレアザルは、イスラエルの民を数えなければなりません。20歳以上の男子の数が数えられました。戦争に行ける強い男子の数を調べることが必要でした。まもなく彼らは、カナンの地に渡り、そこに住んでいる強暴な異教徒達と戦う場合がたくさん出てきます。イスラエルの民が40年前最初にエジプトから出てきた時に、数えられたことを皆さんは覚えているでしょう。その後、最初の調査の時数えられた人は死に、その子供達がその代わりになっていました。
もう一つ、人口調査をする理由がありました。イスラエルがカナンを獲得した後で、幕屋に仕えるレビ族を除くすべての人に土地が与えられることになっていたからです。皆さんもイスラエル人が何人いたか知りたいでしょう。レビ人を除く11の部族には戦える男子が601730人いました。レビ人は別に数えられ、その数は23,000人でした。全部の人をー男も女も子供もー数えると300万を越すことをモーセとエレアザルは発見しました。カレブとヨシュアの他には40年前の最初の調査で数えられたものはいませんでした。その人たちは皆死んでいました。モーセとエレアザルがこの仕事を終えると、神様はモーセに、イスラエル人はミデアン人と戦い、彼らがイスラエル人を自分達の偶像の祭りに招いて、偶像を拝ませたことを罰しなければならないと言われました。
各部族から2,000人ずつ戦いに出さなければなりませんでした。エレアザルの息子も行きました。これは祭司なので戦うためではなくラッパを鳴らすためです。こうしてイスラエル人は、ミデアン人と戦い、彼らの男子残部と5人の王を殺しました。また、あの悪いバラムも殺しました。彼らは全ての町と城を焼き払いました。兵隊達は何千という牛や羊を連れて帰りました。この土地は草原が多く、肥沃で、ミデアン人は牛や羊をたくさん飼っていました。彼らはまた、多くの銀、金、すず、鉄、鉛も持って帰りました。モーセは兵隊達に戦いに行かなかった人々にも、これらの分捕り物の半分を分けさせました。レビ人にも分けられました。
戦いの後、軍勢の将たちが部下を数えましたが、イスラエル人は一人も殺されていませんでした。神様がこんなによく守ってくださったことを彼らは心から感謝し、そのしるしとしてミデアン人から取った金の飾り物を主に捧げました。ルベン、ガド、それからマナセ族の半分の三部族はモアブの平野がすっかり気に入り、他の部族と一緒にヨルダンを渡るかわりにモアブに留まってよいかとモーセに尋ねました。モアブの地は豊かで肥沃で草も青々とふんだんに生えていました。牛や羊には好適なところです。ルベン族、ガド族、マナセの半部族はたくさんの牛や羊を持っていました。モーセは、この三部族にモアブの土地を所有してもよいが、その前に他のイスラエル人と一緒にヨルダンを渡り、カナンの地にいる異教徒を征服するのを手伝うように約束させました。もしモーセが自分達の妻子のために家や町を、また羊のためにオリを先に作ることを許せば手伝うと彼らは約束しました。
そこでモーセは、モアブの肥沃な平野をルベンの部族に、アモリ人シホンの王国をガドの部族に、そしてオグの王国をマナセ族の半分に与えました。神様は、またモーセに語り、「ヨルダンを渡ってカナンの地に入る時は、その地の住民をことごとくあなたがたの前から追い払い、全ての石像を壊し、全ての金や銀の偶像を壊し、その祭壇を壊さなければならない。」とイスラエルの民に告げるよう言われました。もし、偶像やその祭壇が残されたら、やがてはイスラエル民族も偶像を拝するようになることを神様は知っておられました。もし、異教の人々を生かせて置けばイスラエル人たちもやがて異教徒になったでしょう。カナンを征服した後、司たちは国をわけ、レビ人を除いて各々に耕す土地を分けなければなりません。レビ人は町に住みます。レビ人の各町の周りにはその牛や羊を飼うだけの土地がなければなりませんが農耕地は与えられません。レビ人の町は48なければなりません。そのうちの6つは「のがれの町」といい、ヨルダン川の両岸に3つずつおかれます。もし人が間違って他人を殺した場合、この逃れの町に逃げてよいのです。ここの町の1つにくれば罰せられないですみます。 くまだなみこ