いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。
聖書のクリスマスの記事を見ますと、始まりは真っ暗闇の荒れ野となっております。ほんの数人の羊飼いたちが、寝ずの番をしているところに突然天使があらわれ、まばゆい光が照り輝きました。そして羊飼いたちに語りかけます。
「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなた方のために救い主がお生まれになった」(ルカ2:10-11)。
天使の言葉はなお続いていきますが、今日、特に耳を傾けたいのは「民全体」という言葉です。クリスマスの喜びはすべての人のものであるといいます。一方で、天使は最後にこうも言います。
「地には平和、御心に適う人にあれ」(ルカ2:14)。
クリスマスとは、すべての人にとっての喜びの知らせのはずでしたが、一方で、神様のお気に入りの人にしかクリスマスの平和が届かないかのようにも聞こえます。そうしますと、クリスマスを本当に喜べるのは、特別に善良な人でなければならないということでしょうか。
そうではありません。というのは、この羊飼いという人たちはいわゆる立派な人たちではなく、むしろ当時、信仰熱心であったり、身分が高かったりした人たちからは相手にされていないような人たちだったからです。
クリスマスの喜び、それは、むしろ暗闇の中にたたずむ人にこそ示されました。神様はそのような人を御心に留め、平和が届くことを良しとされました。