いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。
この年もあとわずかで終わろうとしております。この一年を振り返ります時、よい年であったという方も、あるいは大変な一年であったという方もおられるでしょうが、わたしたちはしばしばうれしさよりも、労苦を数えてしまうのかもしれません。
わたしたちにとりまして歳月とは、時に悲しみをもたらすものとなります。そしていつしかあの時は苦しかった、あの時も、といってはつらい日々を心の中で数え上げてしまいます。
聖書の詩編では、ある詩人が人生を心から嘆いております。「人生の年月は70年程のものです。健やかな人が80年を数えても、得るところは労苦と災いにすぎません。瞬く間に時は過ぎ、わたしたちは飛び去ります」(90:10)。人生ははかない、苦しみが多く、気が付けば年を取ってしまっていた、と詩人は素直に告白します。しかし、この人はただ独り言のようにして苦労を嘆いているのではありません。
実は、この詩は明確な聞き手を持っております。それは、神様です。詩人は神様に訴えます。「生涯の日を正しく数えるように教えてください」(90:12)。わたしは月日の数え方を間違っていたのかもしれない。しかしあなたは、正しく月日を数えることをきっと教えてくださる。そればかりでなく、わたしたちのところに帰ってきて、力づけてくださる。この詩人の語ります希望の先に、光であるイエス・キリストの誕生があります。