あさのことば 2012年12月11日(火)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

今井献(東京教会牧師)

今井献(東京教会牧師)

メッセージ: キリストの死

 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
 キリストによる救いを聖書は「福音」と呼んでいます。また、コリントの信徒への手紙一の15章1節以下を読むと、福音の中心はキリストの死と復活であると書いています。
 福音とは、グッド・ニュースという意味なのですが、キリストの死がグッド・ニュースであるとはどういう意味なのでしょうか。月光仮面でもウルトラマンでも、もし死んでしまえば物語はそこで終わりです。グッド・ニュースであるわけがありません。

 コリントの信徒への手紙一の15章3節には「キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだ」と書いてあります。その死は突然の、予期せぬ弟子に裏切られて起こったことなのではありません。「聖書に書いてあるとおり」に死んだのです。すなわち、神様の深い計画と決定によることでした。 また、「わたしたちの罪のために死んだ」とも書いてあります。これはキリストの死が、死んだ理由を教えています。理由があれば、人は自分の命を投げ出すことがあります。ことの是非、善悪は別として、自爆テロという悲惨なニュースを聞くことがあります。自分の死が同朋の救いに役立つに違いないと考えての行為なのだと思います。

 キリストの生涯は、罪と死の支配に対する全面的な戦いでした。そして十字架の死は、自らの命をわたしたちのために投げ出した最後の戦いでした。自分の利益のためではありません。わたしたち罪人を、罪と死の支配から解き放ち、真の自由と永遠の命にあずからせるためでした。
 キリストの死は、わたしたちを生かすための貴い犠牲でした。それゆえグッド・ニュースなのです。

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