お元気ですか、横浜中央教会の立石章三です。
2011年3月11日、あの東日本大震災では自然災害の恐ろしさ、土を汚す放射能をばらまく人間の愚かさを、つくづく思い知らされました。あの事件からしばらくの間、神がすべてを支配しているなら、あの津波は神が起こしたのかという議論がありましたね。
創世記の3章では、最初の人アダムの堕落に対して神様はこう言われました「お前のゆえに、土は呪われるものとなった」。土、すなわち大自然は呪われるものとなったのです。わたしたちは自然災害が存在するという前提の世界の中で生かされているのです。
人間は土と戦い続け、土から鉱物資源や石油、金属を取り出し、都会文明を作りあげてきました。そして、土から離れて生活するようになりました。農業における近代化農法は、土を暴力的に支配し、自然環境を破壊することによって作物の大増産を図りました。遺伝子組み換え技術は、まるで作物を鞭打つようにして「もっと実れ、もっとたくさん実れ」と無理やりに増産させようとしています。遺伝子組み換えジャガイモを10日間食べ続けた鼠は脳、すい臓、肝臓に影響が表れ、免疫能力も落ちました。鼠の10日間は人間の1年にあたります。
人は土の中で、土と共に生きる存在でした。しかし「土は呪われるものとなった」。大自然は時に牙をむいて人間に襲いかかってきます。草花を育て、土と共に生きる生活をもう一度取り戻すことによって、わたしたちは自分が造られた存在に過ぎないことを思い起こすのです。