お元気ですか、横浜中央教会の立石章三です。
創世記の最初は、神様が世界と人を造られた天地創造のお話ですね。1章では、神様は人に「地を従わせよ」(1:28)と言われました。この言葉を引用して「キリスト教の思想では、人間は他の生き物と違って特別な存在であるから、自然を勝手にいじりまわす権利があると錯覚している。自然環境の破壊がそこから始まった。人間は自然の一部であるという東洋思想こそが地球に優しい思想である」。まあ、こういう批判が言われることがありますね。
そうでしょうか。そうではありません。人類の始祖、最初の人アダムに与えられた仕事は農業でした。創世記の2章では「神は人を連れて来て、エデンの園に住まわせ、そこを耕し、守るようにされた」(2:15)と書いてあります。アダムの仕事は「畑を耕してお世話する」ことでした。人間は自然環境の管理人としてエデンの園に置かれたのです。アダムは土という意味です。人は土から離れて生きることはできません。
農業とは単に作物を育てるだけでなく、自然環境を保全するという大切な役割があります。日本の水田は、500億トンものダムの役割を果たしていると言われます。しかし堕落した人類は、自然破壊を繰り返してきました。都会はコンクリートやアスファルトで覆われ、人は土の上を歩くことなく生きています。地方へ行きますと、化学農法や工業化された食糧生産のために、大地はやせ細っています。
人は土から造られました。土から離れた生活は人間性を滅ぼし、神様の存在を忘れさせます。「塵に過ぎないお前は塵に返る」(創世記3:19)と言われた神様の警告をもう一度考えましょう。