いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
ことの善し悪しは別として、この世の中に格差があることは、事実として認めざるを得ません。スーパーリッチがいる一方で、一生懸命働いても、きょうの暮らしがままならないワーキングプアがいることも事実です。では、この格差をなくしてしまえば、誰もが幸せに暮らせるのかというと、なかなかそう簡単にいかないのが罪深い人間です。もし、人間が罪人でなかったとすれば、とっくの昔に平等で幸福な社会が実現していたことでしょう。
ところで、初代教会の指導者のひとりであったパウロという人は、その手紙の中で「(自分は)貧しく暮らすすべも、豊かに暮らすすべも知っている」と書いています。もっとも、その秘訣がなんであるのかは、具体的には記していません。ただ、「わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能だ」とだけ述べています。
簡単に変えることができないこの世を生き抜くとすれば、神だけがその生きる力を与えてくださるのです。結局、神への信仰がなければ、富に溺れて他人を顧みないか、貧しさの中で社会を恨むか、どっちに身を置いてもそこから抜け出すことは難しいのです。
今日の言葉
「貧しく暮らすすべも、豊かに暮らすすべも知っています。…わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能です。」フィリピの信徒への手紙4章12節、13節