いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。
今週のテーマは「主の祈り」です。これまで、第4の祈願、第5、第6の祈願、第3と第2の祈願、という順序で学んできました。今日は第1の祈願「願わくは、み名を崇めさせたまえ」、少し言い換えて「あなたの名こそが、わたし達によって崇められますように」を取り上げます。
わたし達の私的な祈りは普通、自分たちの生活と人間関係の困り事を神に訴えることから始まりますが、それは神の力を願い求める祈りへと移るにちがいありません。この世界で人がぶつかる困り事の根本原因は、神と人との関係が損なわれていることにあり、その解決は神がキリストを通して働かれる力によるしかありませんから。そして、キリストは既に神と人との和解のために死んで復活されましたから、祈り求める者にこの力は必ず与えられます。確信して祈りましょう。
神の力によって神との関係を正された人の特徴は、「み名を崇める」こと、つまり「神を神として崇める」ことを知ったことです。それ以前は、神を無視して、神を認めても崇めることなく生きていましたから、これは人、自分中心から神中心という生き方の根本的な変化です。第1の祈願はその信仰の告白です。ここでは関心の対象は、後半3つの祈願の内容「自分のこと」ではなく神ご自身です。これがキリスト教の祈りのゴールです。