いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。
今週のテーマは「主の祈り」です。今日と明日で前半3つの祈願、神のことについての祈願を取り上げます。わたしたちの私的な祈りは普通、自分たちの生活と人間関係についての願いから始まりますが、それで終わりません。それを解決するのは神の力、聖霊しかありませんから、そこへ向かいます。それが第3の祈願であり、さらに第2の祈願です。
この二つの主題は「神の国、神と被造物との正しい関係、の実現」です。よく似ていますがその違いは、第2の祈願は神の国そのものに、第3の祈願ではその実現に強調点があることです。言葉を換えれば、第2の祈願は神が既に支配されている所に目を向け、第3の祈願は神の支配がまだ及んでいない所に目を向けています。神の国はキリストと共にこの世界に来ましたから「現在のもの」ですが、同時に完成はまだですから「将来のもの」です。
第3の祈願では、弱いわたしたちが既に来られたキリストに目を向けて、既にこの世界にある神の支配を確信して、今助けてくださいと祈ります。第2の祈願は、やがて再び来られるキリストが神の力によって神の国を完成されると確信して、どんな時にも希望を持つための祈りです。
これらは教えます。神の力が必ず人を救い出します。キリストは神の力を求める者に与えるため、既に死んで、復活されましたから。