いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
人間にとってネガティブな感情はたくさんあります。怒り、妬み、憎しみ、悲しみ、悔しさ、恨みなど。今週はそうしたネガティブな感情について考えてみたいと思います。
人間が持つネガティブな感情の中で、もっとも早い時期から抱く感情は何でしょう。悲しみでしょうか。確かに人間は悲しいと泣きますが、赤ちゃんが泣いているのは、悲しいからとは限りません。お腹がすいた、おしっこが出た、眠たいなど、感情というよりは生理的な欲求を訴えていると言った方がよさそうです。その同じ赤ちゃんも、時には顔を真っ赤にして手足をばたつかせ、怒っているように見えるときがあります。
自分の欲求が叶えられないときに、その欲求が実現することを阻んでいるものに対して向けられる爆発的な感情を「怒り」と定義するなら、怒りこそ人間が抱く最初のネガティブな感情ではないかと思います。
もっとも、ネガティブとは言いましたが、怒りのすべてがネガティブというわけではありません。たとえば、正義が踏みにじられているのを見るときに感じる怒りは、決して破壊的ではありません。
とすると、怒ることそのものがネガティブなのではなくて、何に対して、どう怒るのか、そのことが大切なように思います。怒ることで害悪を生み出す危険があるからこそ、何に対してどう怒るのか、注意が必要なのです。
今日の言葉
「怒ることがあっても、罪を犯してはなりません。日が暮れるまで怒ったままでいてはいけません。」エフェソの信徒への手紙4章26節