お元気ですか。横浜中央教会の立石です。
さて、「世界生命の日」と言うのをご存知でしょうか。1991年4月25日から27日まで、東京で開かれた国際生命尊重会議によって、赤ちゃん、胎児の人権宣言が発表されたのです。
古い古代世界では一人一人の人権などという思想はありませんでした。赤ちゃんが生まれると父親のもとに連れて来られます。もし父親が承認すればその赤ちゃんは育てられますが、父親が拒否した場合にはその赤ちゃんは捨てられてしまうのです。古代ローマ世界では毎日捨てられた赤ちゃんを拾って、奴隷として育てる。そんなビジネスがあったほどです。
さて3000年前から2000年前までに書かれた聖書では、赤ちゃんの人権をどのように考えていたのでしょうか。旧約聖書の詩編にこんな言葉があります。「あなたは、わたしの内臓を造り、母の胎内にわたしを組み立ててくださった。…秘められたところでわたしは造られ、深い地の底で織りなされた。あなたには、わたしの骨も隠されていない。胎児であったわたしをあなたは見ておられた。わたしの日々はあなたの書にすべて記されている。まだその一日も造られないうちから」(詩編139:13-16)。
聖書は、胎児は神の作品であって、人間の勝手な都合で育てたり捨てたりしてはいけない。神様からの授かりものとして大事に育てねばならない。胎児には人格権があるのだと言っているのです。一人一人が個人として尊重される社会。聖書はこの原点の大切さを教えています。