あさのことば 2012年4月2日(月)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

今井献(東京教会牧師)

今井献(東京教会牧師)

メッセージ: 生きている今こそ

 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。  昨年12月のことです。NHKのEテレビ、以前の教育テレビが「こころの時間」という番組で、宮城県で終末医療に取り組んでおられる岡部健(たけし)というお医者様を紹介していました。
 また、お医者様というだけでなく、敬虔な仏教徒として死の問題とも向き合っておられました。この岡部先生が、医学の中には、死を取り扱う「あの世学」がない。臨床あの世学というものが必要である。人は通常だんだんと衰えていって死を迎えるのであり、何時何分に亡くなりました、というだけで死を済ませてしまうことはできない。死を迎える準備が本当は必要だと話しておられました。
 また、死については医学には限界があり、宗教の役割が必要であるとも語っておられました。

 宮城県は昨年3月に東日本大震災に見舞われ、一度に多くの方がお亡くなりになりました。亡骸を弔うことと遺族を慰めるために、神道、仏教、キリスト教の宗教者が協力することにも積極的に関わっておられるとのことでした。

 わたしたちは、科学技術に見られる合理的な考え方に染まっており、死も合理的に考え、人の死を単なる生物の死と同じように理解しがちです。けれども、人の死には弔いが必要であり、身近な者の死に際しては魂が慰められることが必要であるのがわたしたちです。
 人の生きていることはそれ自体が宗教的なことです。また、自分がいつかは死ぬ身であることを知るわたしたちは宗教的な存在です。生きている今、死について考えていただきたいと願います。

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