いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
聖書の言葉に「『神を愛している』と言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません」という言葉があります。
確かに、目に見える具体的なことすらできない者に、どうして目に見えない世界のことなどできるでしょう。しかし、先ほどの言葉はそういう意味だけではありません。その続きにはこう記されています。「神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。これが、神から受けた掟です。」
神を愛するということは、具体的な目の前の兄弟を愛することと無関係なことではありません。信仰生活というものは、この世界から遊離したものではなく、まさにこの世界の中で営まれるものです。神を愛することは決して心の中だけの問題ではないということです。
しかしまた、目の前の兄弟を愛することができないために、それを正当化する理由をあれやこれやと考えてしまう弱さを持っているのも人間の姿です。少なくとも憎みさえしなければ良いと思いがちです。けれども、神が求めていらっしゃることは、何もしないことではなく、愛するという積極的な行動なのです。
今日の言葉…「『神を愛している』と言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません。」ヨハネの手紙一 4章20節