夏休みの子供達もいよいよ2学期。今日はちょっと思い出したお話をあなたに。演技やトーク、ダンスなどの勉強をしているS君が、先生から表情が硬いと言われてしまったとお話してくれました。二人であれこれおしゃべりしながら何事もリラックスが一番かな?と…でもこれが一番難しいのですね。その時ふと以前購入してあったある本を思い出したのです。
私たちは、無言でいても表情を通して、自分の姿を通して相手にメッセージを送っています。特に表情が硬ければマイナスになってしまいますものね。初対面の彼と彼女の出会いでも、まだお互いに語り合っていないのに第一印象でダメでした、ということがありました。ラジオ番組は、話し手の顔が見えませんから声だけであれこれ想像する面白さがあります。ネット番組も同じようです。
ところが、ライブとなると全く違ってきますね。私もこうしてスタジオでお話する時よりも、講演会でお話しする時のファッションは気を使います。暗い寂しい色の上着を着るのはやめにしようとか、ヘヤーカットに行ってスッキリしようとか。声以外の全ても私たち自身の「今」を語っていますからね。
私たちは誰も皆神様の芸術作品。神様は人間に豊かな想像力を備えて下さり、互いの関係を喜ぶように祝福してくださっていますが弱い私たちはすぐ見た目で人を判断してしまいます。ヤコブの手紙2章を思い出します。身なりで人の価値を判断する人間の弱さが記されていますね。金の指輪をはめた立派な身なりの人と、汚らしい服装の貧しい身なりの人を差別する、人を分け隔てする罪が示されているのです(ヤコブ2:1-12)。
私の本棚にある新潮選書「非言語コミュニケーション」(マジョリー・F・ヴァーガス著・石丸正訳)は、とても興味深くこの分野のことを教えてくれます。
まず表紙の言葉をご紹介しましょう。「目に思いをこめる。触れ合いで愛を感じ取る。沈黙に多くを語らせる。動作と表情で、また時間、空間、色彩などとの関わりの中から、様々なメッセージを送り出し、そして受け取る…。このように人間は間断なく非言語コミュニケーションを交わしている。この{ことばならざることば}の領域はとても学術的で、奥行きも深いのだが、実用的な知識に読書の楽しみも添えて提供したい。」ということなのです。
著者の執筆の目的は、「(1)非言語コミュニケーションの範囲と奥行きを知ること。他人から発信される言葉以外のメッセージにより聡明に対応できるように。(2)自分が言葉以外の手段で伝達する様々なメッセージの意味を理解できるようになること。」では、興味深い9つのことばならざることばを。(1)人体(性別・年齢・体格・皮膚の色など)、(2)動作(姿勢や動き)、(3)目(アイ・コンタクト)、(4)周辺言語(音声上の性状と特徴)、(5)沈黙、(6)身体接触、(7)対人的空間、(8)時間、(9)色彩。それぞれの項目を読むととっても興味深いですね。例えば沈黙のところを少しご紹介(音声のみ)。
今日は誰と出会い、言葉を交わしますか?学校で、会社で、家庭でもお互いを認め合い育てあう良いコミュニケーションを今日も一歩進めていくためにちょっと意識すると違ってくるかな?と思ったりしていますがいかがでしょうか。今日のあなたの一日。主が共にいまして祝福してくださいますように。 くまだなみこ