熊田なみ子のほほえみトーク 2011年4月26日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

小さな朗読会140「幕屋」
(「母と子の聖書旧約上」40章)

 モーセは人々に、「主のために天幕の教会を建てなければなりません。その作り方は、山に登った時に神様から教わりました。建てるのにいろいろの物が入ります。すべて、心から喜んでする者は、主にささげる物を持って来なさい。すなわち、金、銀、青銅、青糸、紫糸、緋糸、亜麻布、やぎの毛糸、雄羊の皮、じゅごんの皮、ともし油、香料が入ります。これらの物の他に、美しい布の織れる者、石を刻むことが出来る者、すべての助けがいる。」と言いました。

 すべての民は、神様を礼拝する場所が出来ることを大変喜び、進んで自分たちの大事なものを持ってきました。間もなく必要なものよりもずっと多くの物が集まり、モーセが、もう持ってこないように言うほどでした。神様は、最も込み入った仕事をするために、二人の人、ベザレルとアホリアブを任命されました。神様は、彼らに、金から美しいものを作ったり、貴重な宝石を切ったり、すぐれた木の彫刻をしたり、細かい刺繍をする技術と知恵をお与えになりました。
 神様の働き人が、ある特別な意味で聖霊を与えられていることは事実です。美しい絵を描いたり、すぐれたものを彫刻したり、美しい音楽を奏でることの出来る人は、一般的な意味で、神様の霊を授けられています。

 間もなく、イスラエルの陣営を通して、機を織る忙しい音が聞こえてきました。婦人たちが、神様の聖所のための幕を織る音です。この美しい幕を織るために選ばれたことを、これらの器用な婦人たちは、大そう誇りに思いました。彼女たちは歌いながら仕事をしました。
男たちも幕屋のわきの板を作るので、忙しくしていました。彼らは板に金を張らなければなりませんでした。これは、幕屋が建った時、金でできているように見せるためです。何と忙しい、そして、楽しい時だったでしょう。

 織ることの上手な婦人の仕事は、いくらでもありました。幕屋を囲む長い幕を作らなければならなかったからです。一枚の幕は、長さ15メートル、幅2メートルぐらいのものでした。どの一枚の幕の横の片端にも、50個の金のボタンがつけられました。幕は広い一枚の幕になるようにこのボタンで繋ぎ合わされました。
この幕は、塀のように幕屋の外側をぐるっと囲むためのものでした。真鋳で出来た柱にかけられました。色は、青、紫、緋色で、巧みに刺繍がされていたので大変美しいものでした。この幕の内側に、板で出来た幕屋が建ちました。この板は、おのおの5メートルの高さで、幅は60センチ、純金でおおわれていました。これは、金の壁を作るように、くっつけて建てられ、各板の底には、地面にはめられた銀のうち台にはめ込む、二つのでっぱりがつけられていました。

 これで、長さ15メートル、幅5メートルぐらいの金の部屋が出来ました。この部屋には、壁が三つしかなく、壁のないところには、青、紫、緋色の刺繍をほどこされた幕が垂らされました。この幕屋の中は、垂れ幕といわれる幕で二つに仕切られました。この垂れ幕が、幕の中でも一番美しいものでした。それは青、紫、緋色で織られ、天使が刺繍されていて、4本の金の柱にかけられました。この垂れ幕の後ろの部分は暗くなりました。しかし、あかりはいりませんでした。その理由はあとでお話しましょう。

 器も壁と同じように、金で作らなければなりませんでした。まず、民は、中も外も金でおおわれた木の箱を作らなければなりませんでした。その箱は、長さ1メートル30、幅60センチ少々のもので、中に物が入れられるようになっていました。上のふちには、へりの代わりに金のかんむりがつけられました。四隅には、2本の長い棒を通させるための4個の金の輪をつけました。これは、旅行する時、この箱を4人の肩で荷うことが出来るためです。これが契約の箱でした。しかし、一番素晴らしいのは純金で出来ている箱のふたです。このふたは贖罪所(しょくざいじょ)と呼ばれ、これに、やはり純金で出来ているケルビム、すなわち天使が置かれていました。ケルビムは両端に一つずつ、向かい合うようにおかれ、翼で、箱の上を被っていました。

 神様はモーセに、十戒が記された2枚の石碑と取って置くようにモーセに言いつけられたマナの入った壷をそこに入れるように命じられました。こうして、一番大切な宝をしまうところが出来ました。
この美しい契約の箱は、一番神聖な場所、つまり至聖所という垂れ幕のうしろの金の部屋に置かれました。なぜ、至聖所という名前がついたのでしょう。これは、幕屋が出来上がったあと、神様ご自身が、輝かしい光の形でこの部屋に、贖罪所のケルビムの間にこられたからです。神様の栄光が部屋全体に満ちました。大祭司であるアロンの他は、誰一人ここには入れませんでした。

 神様はまたモーセに、四つの角に金の輪のついている金の机を作るように命じられました。この輪に金のさおが通され持ち運ばれました。この机は、至聖所ではなく、部屋の外側におかれました。安息日ごとに、大祭司は、その机の上に、イースト菌の入らないパンを12個置きます。これは、供えのパンの机と呼ばれました。

 主は、ベザレルとアホリアブに、純金の燭台を作るように命令されました。燭台には七つの枝をつけ、どの枝の先にもアーモンドのような形をした、小さな金の受け皿をつけなければなりません。受け皿には、オリーブ油を入れ、これに火をともします。このほかに、幕屋全体にかぐわしい香りを満たすため、良い香料でできた香をたくための小さな金の祭壇も作られました。
金の燭台も、香の祭壇も、外側の部屋に置かれました。至聖所には、贖罪所と、金のケルビムにおおわれた契約の箱だけがおかれました。幕で囲まれた幕屋の前の庭には、大きな祭壇がおかれました。これは縦横2メートル半、高さ1メートル半ぐらいのもので、他のもののように金ではなく、青銅で作られていました。はん祭がここに捧げられるのです。

 また、主にいけにえを捧げる前に、アロンやその息子たちが手足を洗うための、大きな青銅のたらいがありました。これは洗盤と呼ばれます。この洗盤の大きさはよくわかりません。これはイスラエルの婦人たちの鏡から作られたものです。その頃の鏡は、今日のようにガラスでできているのではなく、よく磨かれた青銅で作られていました。婦人たちは喜んで、主のご用に使われる洗盤を作るために、自分たちの青銅の鏡をモーセのところに持ってきました。  くまだなみこ

コントローラ


自動再生されない方はこちらから再生(mp3形式)
  Copyright (C) 2011 RCJ Media Ministry All Rights Reserved.