いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
3月に福島の原子力発電所が事故を起こして以来、わたしたちの生活は一変しました。同じ日本であっても、事故により、違う日本になってしまったのかもしれません。
原子力エネルギーは人類の最先端技術のひとつですが、一度暴走したらすぐに止めることができないという点で、不完全な知識と技術であると思います。人類は、この原子力エネルギーをまずは兵器として使い、次に、平和利用という名目で原子力発電所をいくつも建設してきました。
人類は新しいものを発見し、よく用いることで生活を豊かにしてきました。知恵と知識を用いて文明を築いてきたという点で、人は賢いということができます。しかし、戦争を繰り返し、不完全な技術を誇って日常生活を脅かす事態を引きおこすこともあるという点では、人は愚かでもあります。
聖書は、わたしたちが本当の意味で賢くなるためには、まことの神を知り、神を畏れ、あがめることで、真に謙虚でなければならないと教えています。コリントの信徒への手紙一の3章18節以下に次のようにあります。
「だれも自分を欺いてはなりません。もし、あなたがたのだれかが、自分はこの世で知恵のある者だと考えているなら、本当に知恵のある者となるために愚かな者になりなさい。この世の知恵は、神の前では愚かなものだからです」。
人は賢いだけでなく、時として愚かにもなります。愚かになって、自分と隣人の生活を脅かす者とならないために、どうか神と共に生き、神の前で、人は愚かであることを認める者になってください。