いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
新約聖書にコリントの教会に宛てた手紙が二つあります。簡単に言うと、この教会に間違った考えと振る舞いをする者たちが何人もおり、仲間争いをしているので、それを正すために書かれたのがコリントの信徒への手紙です。ですからこの手紙を読むと、模範的な信仰生活ではなく、間違った信仰生活がよく分かります。
パウロが第一の手紙の中で繰り返し注意していることは、「あなた方は高ぶっている」ということです。高ぶりの原因の一つは、コリントの町とは哲学の町として有名なアテネのすぐ近くにあり、自分たちには哲学の知恵があることを鼻にかけていたことです。
確かに、ギリシア文化の伝統がこの町にはありました。しかし、そのすぐれた文化がつまずきのもと、ワナとなっていたのです。この教会に向けてパウロは、4章7節以下で次のように書いています。
「あなたをほかの者たちよりも、優れた者としたのは、だれです。いったいあなたの持っているもので、いただかなかったものがあるでしょうか。もしいただいたのなら、なぜいただかなかったような顔をして高ぶるのですか。」
わたしたちは、イエスを神のみ子、救い主と信じる信仰をとおして、一切のよきものが善の源である神から来ていることを知りました。それゆえ、自分にあるよい点や才能も、究極的に言えば神から与えられたものであることを納得しています。すぐれている点や才能が、ワナとならず、隣人と社会全体に役立つものとなるために、どうか、主イエスを救い主と信じてください。