いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
使徒言行録7章54節以下にステファノの殉教の出来事が記されています。そこには、後に使徒パウロとなって異邦人伝道において活躍する青年サウロが、ステファノを殺害する者として出てきます。
この青年サウロは、ステファノを殺しただけでは満足できず、「サウロは、家から家へと押し入って教会を荒らし、男女を問わず引き出して牢に送った」と書かれています。しかし、使徒言行録9章を読むと、復活の主イエスが光の中でサウロに語りかけるという出来事が起りました。驚いたことに、迫害者サウロはその三日後には洗礼を受け、数日後には、イエス・キリストこそ神の子であり、救い主・メシアであると語って伝道をはじめました。
何が驚きかと言えば、サウロはステファノを殺し、三日前まで恐ろしい教会の迫害者でした。にもかかわらず、イエスを救い主と認めたとたん、教会は洗礼を授けることで、これまでのすべての罪がゆるされたことと、救われたことを宣言したのです。ステファノを殺害し、教会を激しく迫害したサウロに対して、主イエスと教会は罪の償いを一切求めていません。キリストを救い主と信じることだけで罪がゆるされて救われる、これがキリストの福音です。
サウロは、テモテ第一の手紙1章16節の中で、自分が救われたのは、キリストを信じて永遠の命を得ようとしている人々の手本となるためであった、と書いています。聖書を持っておられる方は、サウロの回心について読み直してください。そして罪人を救う神の愛について理解を深めてください。