あさのことば 2011年3月25日(金)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

立石章三(横浜中央教会牧師)

立石章三(横浜中央教会牧師)

メッセージ: 不思議な十戒、その5

 お元気ですか。横浜中央教会の立石です。
 今週は聖書にあります、皆様が良くご存じの十戒、10の戒めの話を、1週間連続でお話ししています。十戒にあります「殺すな」、「盗むな」などという戒めは、現在では当たり前の法律ですが今から3000年以上前にこの戒めが与えられました古代のオリエント世界では当たり前どころか、むしろ愚かに聞こえたものの方が多かったのです。

 今日はその第9番目の戒め、「隣人に関して偽証してはならない」です。これは公の裁判などの場面で、偽証すること、嘘をつくことを戒めています。これはいつの時代でも、どこの国でも通用する法律でしょうか。いいえ、どの国でも戦争に負けた話は書き残しません。考古学では戦争があったことは、勝った国の戦勝記録によってしか分からないのです。現代においても、私たちの世界は何と、嘘で塗り固められていることでしょう。太平洋戦争のとき、日本軍はアジアや太平洋で戦争でぼろ負けにしていたのに、大本営発表では「勝った勝った」と嘘の報道を言い続けていました。現代のマスコミや週刊誌でも、ゴシップや憶測の記事が満載です。

 第10の戒め、「隣人の家を欲してはならない」はいかがでしょうか。昔も今も、私たちは隣りの人、そして世間が気になって仕方がないのです。隣りの人の持ちものが欲しいのです。マスコミの宣伝はこの心の心理を刺激していますね。さぁ、戦争が起こる究極の原因は何でしょうか。それは結局「隣りの国の資源が欲しい」ということです。

 このように聖書が教える十戒は、その一から十まで、誰もが受け入れることのできない戒めですから、そのような戒めを掲げる宗教が当時のメジャーな宗教になれるはずがありません。しかし、聖書の宗教は不思議なことに、世界中に広がりました。世界で最も古い宗教は聖書の宗教です。

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