お元気ですか。横浜中央教会の立石です。
今週は聖書にあります、皆様が良くご存知の十戒、10の戒めのお話を、1週間連続でお話ししています。十戒にあります「殺すな」、「盗むな」などという戒めは、今では当たり前の法律や倫理道徳ですが、今から3000年以上前にこの戒めが与えられた古代のオリエント世界では当たり前ではない、むしろ愚かに聞こえたものの方が多かったのです。
今日はその第3番目の戒め、「主の名をみだりに唱えてはならない」。どんな宗教でも、儀式のクライマックスには「神様、神様、」と声を張り上げて繰り返すんではないでしょうか。神様の名を何度も繰り返して呼びかけるから効果があるのです。しかし、この戒めでは「主の名をみだりに唱えてはならない」というのです。神様、神様と連呼したからと言って、神がこちらを振り向いてくれるなどという考えは、人間の都合が優先しているものであり、人間の思い上がりなのです。
イエス様は神様に呼びかける時、「アッバ父よ」と言われました。これは「お父様」という親しい呼びかけの言葉です。私たちも神様に祈りをささげるとき、「天におられる父なる神様」と呼びかけるのです。
第4の戒めは「安息日を心に留め」、まぁ、「仕事をするな」という命令ですね。しかしそんなことを言っていたらどうなるでしょうか。敵が攻め込んで来たら、今日は安息日だから戦争をしてはいけません。そんなこと言ってられないですね。
聖書の宗教とは当時の人々にとって、そんな非常識なことを言う宗教だったのです。しかしそこには、人間は人格を持った生き物であって物ではない、労働の奴隷ではない。人間は1週間に最低1日は、神様と向き合う時間を持たねばならない。そのような人間性回復のメッセージが込められているのです。