いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
新約聖書の中に「愛の賛歌」と呼ばれる有名な個所があります。コリントの信徒への手紙一の13章です。その中に「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。」とあります。
前半の二つ、「忍耐強い」「情け深い」というのは愛の積極的な面を言い表しています。それに対して後半の三つは、やや消極的な言い方で愛の持つ性質を表しています。「ねたまない」「自慢しない」「高ぶらない」という三つです。
さて、愛の積極的な性質の一番に挙げられていることは、愛は「忍耐強い」ということです。他の翻訳聖書では「愛は寛容である」とも訳されています。ここでいう「寛容である」とか「忍耐強い」という意味は、「自分の感情をすぐに爆発させてしまうことから遠い」というニュアンスの言葉です。そういう意味の忍耐強さであり、寛容さなのです。
聖書が言う「愛」は恋愛感情とは異なります。聖書が語る「愛」はただ相手のことが好きであるという感情ではないからです。むしろ、好き嫌いを超えて、相手への関心を抱き、相手に対して最善を願うことです。そうであればこそ、寛容であり忍耐強くあり続けることができるのです。
今日の言葉…「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。」コリントの信徒への手紙一 13章4節