いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。
キリスト教の中心メッセージは「救い」です。何からの救いでしょうか。罪からの救いです。それでは、罪とは何でしょうか。罪を理解し、キリスト教を知る第一歩は「自分の心に目を向けること」―これが今日の話のテーマです。
今はモノの時代でなく、心の時代だと言われます。しかし、私たちは実際に心を大切にしているのでしょうか。モノの豊かさより心の満足を求めるというだけでなく、自分の心を見つめるという意味で。
私たちは自分の心のありさまを正しく知っているでしょうか。自分の心に目を向けることをどれだけしているでしょうか。こんな実験をしてみましょう。
静かなところで目をつぶって何もしない。しゃべらない。そうすると直ちに、様々な雑念が心に浮かんで来るにちがいありません。そのたびに一つ一つ打ち消す、それを続ける。10分間だけでいいでしょう。その間、すべての雑念を消すことができるかどうか。
おそらく多くの方がこんな経験をされるでしょう。何もしない10分間が長い、苦痛だ。次々雑念が浮かんでくる。一つを何とか消し去っても、すぐに別の雑念が浮かんでくる。ほっておくと、連鎖反応式に次々、つながりのある雑念が浮かんでくる。とりわけ醜い思いが。
ふだんはそのことにほとんど気づきませんし、それであまり支障ありません。しかし、罪と救いを考えようと思ったら、自分の心のありさまを正しく知ることから始めなくてはなりません。試してみてください。