熊田なみ子のほほえみトーク 2010年5月4日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

セルフ ヘルプ シティ

 昨日は憲法記念日。一年に1度位「日本国憲法」を読みたいですね。何度かほほえみトークでプレゼントしてきました「日本国憲法」(小さな学問の書・付教育基本法・英訳日本国憲法 発行所・童話屋)という小さな小冊子があります。未来を担う子供たちのために発行してくださった貴重なミニ本です。
 「…日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する…」
 この有名な前文はよく授業でも取り上げられ暗記したりしますね。
 この憲法は、施行が1947年5月3日です。今年で63年です。戦争の悲惨さを悲しむ日本の社会がずっと掲げてきた憲法です。今はいったい過去の戦争がどの国との戦争であったか知らない若者もいるとのことですから繰り返し繰り返し大切に読み返したいものです。あなたもちょっと見つけてみてください。ほほえみトークでも、先着5名様に差し上げます。番組のコーナーからお申し込みください。

 さて、世界はいつまでたっても「助けて!」の叫び声で満ちています。ハップル望遠鏡で130億光年以上先の宇宙の謎に挑むと思えば、身近な所での悲しい事件も後から後から続きます。今日も23歳の息子が両親を殺害するというニュースが流れました。なんと悲しい事件でしょう。「平和のうちに生存する権利」が身近な家庭の中から崩壊してしまうのですから憲法前文で掲げた理想とはほど遠い現実の中にあります。

 さて、我が家ではテレビなし生活3年を終えて、リビングにテレビが戻ってきました。ある日、なにげなく放送大学の講義を聴いたのです。文化人類学の先生でしたか…。ちょっとお名前は忘れてしまったのですが、世界の人々の暮らし、アフリカの国の紹介でした。「セルフ ヘルプ シティ」という言葉が登場したのです。私は初めて聴く言葉でしたが、「そうだ!」と人間社会の原点のような姿を見たような気がしています。それはこれからの日本社会でもますます生かされなければならない姿であると思えたのです。
 21世紀に入り、例えば「水資源」一つをとっても世界で大きな混乱が起こる可能性が指摘されています。今、どろ水を汲んで5時間も肩にしょって運び生活しなければならない女性たちもいますし、贅沢にふんだんに水を使う国の人々もいます。アンバランスで悲しい世界です。このような中で、私たちは、相互に助け合う原始的な村の姿に教えられているように思えるのです。
 「他は知らないけれど私が住んでいるこの村が一番!」と思って生きる人々の姿。その講義では、なんとキリスト教会が役割を果たし、共に生きる地域社会を作っていました。

 今、この日本で自分の周りを考えてみても似たようなことがあります。教会の神の家族の自発的な助け合い、これは本当に大きな力となっています。「ギブ&テイク」ではない人間関係がここにはあります。「与える喜び」の姿です。自分の利益追求だけでは平和がきません。
 「あなたがたもこのように働いて弱いものを助けるように、また、主イエスご自身が『受けるよりは与える方が幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと私はいつも身をもって示してきました。」これは、使徒言行録20章35節のパウロの言葉です。
 神様の御国の進展により教会が使命を果たし、憲法前文で掲げた平和な社会への貢献となりますように心から願っています。まずは自分自身との平和、共に生きる人々との平和、ここから始まりますね。  くまだなみこ

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