いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
聖書の中で女性自身が語る言葉を取り上げようとして探してみましたが、案外少ないことに気が付きました。そんな中で、名もない一人の女性の言葉が印象的です。
シリア・フェニキア生まれのギリシア人で、娘のことで深刻な悩みを抱えていた女性です。娘の救いを求めてイエス・キリストのもとを訪ねますが、「子供のパンを小犬に与えるわけにはいかない」と、つれなく断られてしまいます。キリストはまずはご自分の民であるイスラエルのもとに遣わされているから、というのです。
けれどもこの女は諦めずに訴えます。
「主よ、しかし、食卓の下の小犬も、子供のパン屑はいただきます」
犬と呼ばれようが、何と言われようが、娘が助かるのなら、キリストの力を貸していただきたい思いの一心です。しかも、その言葉は機知に富んでいます。
もちろん、人間の救いは人間の努力次第ではありません。しかし、真剣に食い下がって神の恵みを求めることのなんと少ないことかと自分自身を反省します。
イエス・キリストは別の個所でこうおっしゃっています。
「だれでも、求め続ける者は受け、探し続ける者は見つけ、門をたたき続ける者には開かれる。」(マタイ7:8[私訳])
今日の言葉…「求めな続けなさい。そうすれば、与えられる。探し続けなさい。そうすれば、見つかる。門をたたき続けなさい。そうすれば、開かれる。」マタイによる福音書7章7節(私訳)