いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
旧約聖書の創世記に出てくるヨセフという人は自分の最後が近づいていることを知ったときにこう言いました。
「わたしは間もなく死にます。しかし、神は必ずあなたたちを顧みてくださいます。」
このヨセフの人生は波乱万丈でした。少年時代は父に溺愛され、そのために兄弟からは疎まれ、故郷を遠く離れたエジプトにまで売り飛ばされます。その後エジプトの宮廷役人の家で絶大な信頼を得るという幸いに恵まれるものの、それもつかの間、冤罪の濡れ衣を着せられて投獄されるハメに。しかし、その牢獄での困難も乗り越えて、やがてエジプトでは王に次ぐ権限を与えられます。そのヨセフが生涯のおしまいに兄弟たちに語ったのが先程の言葉です。
ヨセフは自分がハッピーエンドな人生だったから、そんなことを言っているのではありません。苦しみの中にあっても楽しみの中にあっても、神が共にいてくださることを確かに体験したからです。この人が語るからこそ「神は必ずあなたたちを顧みてくだささる」と言う言葉も説得力があります。わたしたちが未体験の困難に直面して、目の前が真っ暗になるときに、ヨセフは今なお聖書を通して神の恵みを証言します。
今日の言葉…「わたしは間もなく死にます。しかし、神は必ずあなたたちを顧みてくださいます」旧約聖書 創世記50章24節