いかがお過ごしですか?上福岡教会の鈴木美代です。今日は、沖縄の日比野勝廣さんのお話です。
沖縄県の糸数アブチラガマ、ここは沖縄戦最後の陸軍病院となった、全長270メートルの洞窟です。そこには600人以上の負傷兵や住民が避難していました。 日比野さんは重傷を負い、傷口からは蛆がわき、破傷風でけいれんをおこす瀕死の状態でした。戦争の拡大と共に、動ける負傷兵は全て逃げてゆき、重傷兵だけが残され、死を待っていました。
ある日、天井の空気穴から爆弾が投げ込まれ、日比野さんは運よく井戸の近くに投げ出されました。そこで水を飲むことができ、命拾いをしました。そして友人のために水筒一杯の水を汲みに、真っ暗な闇の中を一日がかりで這ってゆき、毎日水を汲んで、仲間の命を助けたのです。
わたしはこの話を聞いて、良きサマリア人の例えを思い出しました。「『心を尽くし、精神を尽くし、(力を尽くし、)思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい。』」(ルカ10:25-37)。
日比野さんは本当に自分の命も顧みず、隣人のために自分の出来る最高のことをしたのでした。わたしたちも、このような隣人愛を実践するものでありたいと思います。