いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
暗い夜道というのは心細いものです。今の都会の暮らしに慣れたわたしたちには、そんな夜道の話などあまりピンと来ないかもしれません。
わたしが子供の時代には、月明かりや星明りがなくなると、ほんとうに真っ暗で何も見えない場所がまだありました。暗闇の怖さや光の有り難味は、誰かから教えられなくても、文字通り身をもって体験したことでした。
ところで、イエス・キリストはこんなことをおっしゃいます。
「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」
イエス・キリストがおっしゃる「光」や「暗闇」が、文字通りの「光」や「暗闇」ではないことは言うまでもありません。宗教的な無知とその結果である混乱が支配する、行き場を見失った世界を「暗闇」に例えているのです。そして、ご自分こそが行きべき道を照らし、行くべき道を指し示す「光」であるとおっしゃるのです。
もっとも、この世の姿を例えた比ゆ的な意味での「暗闇」という言葉でさえも、今の時代にはピンとこない表現になってしまったのかもしれません。そうだとすれば、この世のもつ暗さをこそまずは知るべきなのかもしれません。
この世の暗さに気がつき、真実の光を求めるときにこそ、イエス・キリストの言葉がもっと身近に響いてきます。
きょうのみ言葉…「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」
ヨハネによる福音書8章12節