いかがお過ごしですか。三川栄二です。
主イエスがお生まれになる前に、母となるマリアに与えられた約束は、「おめでとう。恵まれた方。主があなたと共におられる」というものでした。マリアは、「あなたは神から恵みをいただいた」とも言われますが、しかしそこで告げられたことは、あまりにも厳しいものでした。もちろん救い主の母親となることは、ユダヤの女性にとって夢のようなことでしたが、彼女はまだ婚約期間中でした。婚約者ヨセフとの間の子ではない子供を宿すことは、大きな誤解を招き、彼女を危険にさらすことになります。その子は神さまの子だと、一体誰が信じるでしょうか。姦淫の女性として殺されてしまうかもしれない、それが彼女に告げられたことでした。
その彼女に、「おめでとう。恵まれた方。あなたは神から恵みをいただいた」と言われるとき、わたしたちはそもそも神の恵みとは何かを考えさせられます。それは必ずしも自分の思い通りに事が運んだり、願った通りに道が開かれることではありません。神さまからいただける何かというのでもありません。
ここで恵まれた方と言われたのは、「主があなたと共におられる」という約束でした。神が共にいてくださる、それが神の恵みなのです。そしてその神の恵みがあなたの許にも届けられるために、インマヌエルである主イエスが、お生まれくださいました。それがクリスマスなのです。