いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
人の自慢話ほど退屈な話はありません。尊敬に値すべきこと、賞賛に値すべきことは自分で触れ回らなくても、本来自然と知れ渡るものです。
旧約聖書の箴言27章2節にこんな言葉があります。
「自分の口で自分をほめず、他人にほめてもらえ。 自分の唇でではなく、異邦人にほめてもらえ。」
この言葉の中で目を引くのは、「異邦人にほめてもらえ」という言い方です。
この表現は自慢する者たちへの強烈な批判が込められているように思うのです。というのも選民意識の強いイスラエル人にとっては、異邦人からもほめてもらえないようなことというのは、よほど賞賛に値しないことに違いありません。そんなことを自慢して歩く人はイスラエル人の風上に置けないということでしょう。
人間というのは、しばしば自分や自分が所属する社会のことを大した根拠もなく誇りに思ってしまうものです。もちろん、誇りを持つことは大切ですが、自分にしか通用しない誇りでは独り善がりのそしりを免れません。
客観的な目で自分を正しく評価することは簡単なことではありません。もちろん、周りの目を気にしすぎても正しく自分を評価できないでしょう。しかし、自分の世界でしか通用しないものを自分で賞賛することほど空しいことはないのです。
きょうのみ言葉…「自分の口で自分をほめず、他人にほめてもらえ。 自分の唇でではなく、異邦人にほめてもらえ。」(旧約聖書箴言27章2節)