いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
今週は旧約聖書箴言の中からお話しています。
箴言を読んでいると、あちらこちらに慈善についての言葉を目にします。この世の知恵によれば慈善と金儲けは相容れないものというのが常識のようです。しばしば耳にする「慈善事業をやっているわけではないんだ」という経営者の言葉は、そのことを雄弁に物語っています。そして、その言葉は経営者や商売人としてもっともな意見であると思います。商売や経営に利潤の追求は欠かせないものだからです。
ところで、箴言8章18節にこんな言葉があります。
「わたしのもとには富と名誉があり すぐれた財産と慈善もある」
同じ人間の中に、金儲けの部分と他人への施しの部分が同居しているのです。きっとこの人は商売や経営の才能を活かして富と財産を手に入れたのでしょう。しかし、そこで終わっているのではないのです。「慈善もある」と語っています。一人の人間の中に富の追求と慈善は両立しうるものなのです。いえ、しなければならないものなのです。
箴言の別の箇所では「慈善は国を高め、罪は民の恥となる」(14:34)とも言われています。経済大国であると同時に慈善大国でもある国は何と幸いなことでしょうか。
きょうのみ言葉…「わたしのもとには富と名誉があり すぐれた財産と慈善もある」(旧約聖書箴言8章18節)