いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。今週は聖書が教える富にかかわる教えを見てきました。きょうはシリーズ最後のお話です。
ある時イエス・キリストはこうおっしゃいました。
「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい。有り余るほど物を持っていても、人の命は財産によってどうすることもできないからである。」(ルカ12:15)
この言葉は人がなぜ貪欲に走るのか、その理由を思いめぐらせてくれます。それは命への憧れと深く結びついているのです。はかなく消えうせる命よりは、少しでも長くまっとうできる人生を人は願うものです。しかもその長い人生は苦しいだけの長い人生でないようにと願うものです。そして、幸せで長い人生は、財産の多さがそれを保証すると短絡的に考えてしまうのが人間です。それはあながち間違いとは言えない部分もあるでしょう。しかし、大きな落とし穴がそこにはあるのです。それは富に心を置くときに、神への思いが心から留守になってしまうという落とし穴です。神を心から締め出す生き方は貪欲に拍車をかけて留まることを知りません。神がいなくなった心は人を幸せにするどころか貪欲で人も自分も苦しめるのです。
どこに心をおき、何を自分の宝とするのか、貪欲に走りがちなわたしたちにキリストは問い掛けていらっしゃるのです。
きょうのみ言葉・・・「あなたがたの富のあるところに、あなたがたの心もあるのだ。」ルカによる福音書12章34節