いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
マタイ福音書5章の山上の説教において、イエス様は「兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる」と語って、怒ることの危険を教えておられます。
しかも、「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」とイエスは言われました。極端すぎると思う人もいるでしょう。これは38節以下にあるイエス様の教えです。
この教えは、自分の中に燃え上がる怒りを抑える秘訣をお教えになったのだと、こう考えるとその意味が分かります。人に頬を打たれれば腹が立ち、怒りが湧いてきます。しかし、自分で左の頬を向けるならどうでしょうか。下着を取ろうとする者には、上着をも与えなさいという教えも同じです。自分から進んで上着を与えるのであれば、相手に対して怒りを燃やすわけにはいきません。自分でしたことなのですから。
何か奇妙な教えのようですが、悪に悪をもって応えて、いっそう互いの怒りと敵意を高めるのではなく、平和を作る別の考え方、別の方法が必ずある、ということではないでしょうか。
神様は人の罪を罰するのではなく、永遠のひとり子をわたしたちに与え、ひとり子をわたしたちの身代わりとして罰して、わたしたちを罪から救ってくださいました。これも、人の常識に反する別の方法です。