お元気ですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
新約聖書ヤコブの手紙にこんな言葉があります。
「ねたみや利己心のあるところには、混乱やあらゆる悪い行いがあるからです」(3:16)
この言葉はとても示唆に富んでいます。
そもそも人間と言うものは、自分の発言や行動は正しいものであると確信しているものです。確信とまでは行かなくても、少なくとも自分の発言や行動には悪意はないと漠然と思っているものです。誰かから自分の発言や行動の真意を疑われるような場合でも、ちゃんと正当化できるだけのものを備えているものです。
しかし、ヤコブはそう考えているわたしたちに問い掛けているのです。その発言はねたむ思いから出てはいないか、その行動は利己心から出たものではないか、と。なぜなら混乱やあらゆる悪い結果がねたみや利己心が背後に支配していることを雄弁に物語っているからです。
他人を見てねたむ思いや自分だけを有利に導こうとする利己心は、どれも物事を正しい方向へ導いていくことができないのです。他人をねたむ思いと自分だけを可愛がる思いから解き放たれて、心を上に向けるとき、正しい判断を下すことができるのです。
きょうのみ言葉・・・「上から出た知恵は、何よりもまず、純真で、更に、温和で、優しく、従順なものです。憐れみと良い実に満ちています。偏見はなく、偽善的でもありません」
ヤコブの手紙3章17節