おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
今朝は旧約聖書詩編の第56編9節の言葉です。
「あなたはわたしの嘆きを数えられたはずです。 あなたの記録に それが載っているではありませんか。 あなたの革袋にわたしの涙を蓄えてください」
人が人を踏みにじり、虐げることほど悲しいことはありません。踏みにじられた人の悔しさや悲しみはどれほど深いことでしょう。その悲しみに追い討ちをかけるのは人の無関心と、人の関心事の移ろいやすさです。苦しむ人、悲しむ人がいても手を差し伸べようとしない無関心さです。関心を寄せたとしても、時が流れ時代が変われば、過去の人の痛みや悲しみはとっくに忘れ去られてしまうのです。
しかし、聖書の神は踏みにじられた者の悲しみを決して忘れることがありません。その悲しみの一つ一つを記録に留めてくださっているのです。神のみもとには人が流した涙を蓄えておく大きな革袋があるのです。もちろん、それは比喩であるかもしれません。しかし、神の前には無駄に流される涙はないのです。涙を覚えてくださる神がいてくださるので、悲しみは悲しみに終わらないのです。
この詩編は繰り返し歌います。
「神に依り頼めば恐れはありません。 肉にすぎない者が わたしに何をなしえましょう。」「神に依り頼めば恐れはありません。 人間がわたしに何をなしえましょう」
それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。