おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
今朝は旧約聖書詩編の第22編2節の言葉です。
「わたしの神よ、わたしの神よ なぜわたしをお見捨てになるのか。 なぜわたしを遠く離れ、救おうとせず 呻きも言葉も聞いてくださらないのか」
きょうの詩編は冒頭から絶望感に満ちています。まったく見捨てられた人の悲痛に満ちた祈りです。祈っている本人も自分のことを「わたしは虫けら、とても人とはいえない。人間の屑、民の恥」と言っています。それほどに望みを絶たれている人の祈りです。
これほどまでの絶望を体験するということは、滅多にあることではありません。いえ、滅多にあることではないからこそ、そんな体験を味わう人には、もはや希望も見えないのです。
ところが、この詩編は最後までこの暗い調子に貫かれているのではありません。最後の3分の1は救いを与えてくださる神への信頼と賛美で結ばれています。まるで黒雲に包まれていた景色が、一転して照り輝く太陽の暖かみを味わっているかのようです。
「主は貧しい人の苦しみを 決して侮らず、さげすまれません。 御顔を隠すことなく 助けを求める叫びを聞いてくださいます」
これがこの詩編の結論です。
それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。