今日という日も一時ひとときを大切に過ごしたいですね。塩田明子です。
アブラハムという名をご存じでしょう。旧約聖書の創世記12章によると、アブラハムはある日神様から「あなたは生まれ故郷、父の家を離れて、わたしが示す地に行きなさい。」と命じられ、行き先も知らずに出発しました。私たちが、チョット旅行に行くのにも、隣町へ行くのでさえ、丁寧に地図や時間表を調べて出かけるのとは大違いです。でも、私たちの人生にもこういう決断が必要な場面がけっこうあるような気がします。例えば結婚の時。相手の体格好や、家族のこと、学歴のことを調べて安心しているかもしれませんが、目の前の一人の人格を完全に知るなど不可能です。進学や就職の時。将来のことは本当は分からないことが一杯です。分からないことに気を取られてしまうと一歩が踏み出せません。アブラハムは「あなたを祝福する」という神様の約束を信じたのですね。
かつて森有正が西欧の文明は、この信仰に支えられた「冒険」の文明だといいました。それは、自分が過去に積み重ねてきた手柄に連綿として、成功街道を走るのとは全く違った生活スタイルです。約束を信じる人だけが、自分の過去を易々と手放して、自由にはるかなる夢を追いかけていくことができるのですね。神様の約束を求める祈りを深めたいと思います。