いかがおすごしでしょうか? 今朝はすっきりお目覚めになりましたか。初めて朝のことばでお話をする東京恩寵教会の塩田明子です。恵泉女学園大学の教員でもあります。
今日までの人生で心に残っている事をお話ししたいと思います。
教会学校のお友達のお父さんが、ある時急になくなりました。私たちがまだ小学生の頃だったと思います。お父様は色の黒い元気そうな方でした。現場に出て働くような仕事であったのかもしれません。もちろん働き盛りでした。
いつ聞いたのか定かではないのですが、遺書があったのだそうです。お母様が聞いたところ、中には「我が国籍は天国にあり」と書いてあったというのです。考えてみてください。万が一に備えて書かれている遺書ですから、自分が死んだ後、お金のこととか、子供の将来のこととか、住居はどうしたらいいとか、そんなことが書いてあると、家族は期待したのではないでしょうか。ところがそこに書いてあったのは「私の国籍は天国にある」という聖句だったのです。私たちが一番心配しそうなことは、何も書いてない。その方にとって一番大切なこと、それは「自分が神様につながっている者であること」だったんですね。
日々の生活の中で、心配事があったり、逆に世間的にチョット偉くなった気分になることもあります。でも、いいことも悪いことも大した問題じゃないのよ。私たちには天国がある、そこへは何も持っていけないよと、心にとどめます。