いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
今日はイエス・キリストが十字架におかかりになったことを記念する受難日です。
イエスが十字架のうえで息を引き取られた後の遺体の葬りについて、ルカ福音書23章50節以下に次のように記されています。神の国を待ち望んでいたアリマタヤのヨセフがピラトのところに遺体の引き取りを願い出ました。そして遺体を十字架から降ろして亜麻布で包み、まだ誰も葬られたことのない、岩に掘った穴の中に納めた。
キリストの遺体は、神の国を待ち望んでいた者の手に委ねられました。このことは、キリストの死が神の国を待ち望む者のためであることを示しています。
その当時、墓はひとりだけのものでなく、先祖から受け継がれ、その家の者が納められていました。けれども、まだ誰も葬られたことのない墓にキリストは葬られました。
キリストの死は、死に打ち勝つ死、永遠の命に復活する死です。キリストの墓は、復活のために安息するという、これまでにない全く新しい意味になりました。罪の裁きのゆえの死とその遺体を入れるために何度も使われてきた中古の墓は、キリストにふさわしくありません。誰もまだ葬られたことのない新しい墓穴こそピッタリです。
三日目の朝、イエス・キリストはこの墓から復活されました。
キリストを信じる者は、キリストを頭とする神の家族です。キリストの復活以来、神の家族にとって、お墓は復活するまで安息するものになりました。死を象徴するものから、復活を待ち望む記念碑になりました。