おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
今朝は旧約聖書詩編の第137編1節の言葉です。
「バビロンの流れのほとりに座り シオンを思って、わたしたちは泣いた」
バッハの作曲した有名なコラールに「バビロンの流れのほとりに」というのがあります。よく知られている曲なので、耳にした方も多いでしょう。それはこの詩編から題材を得た作品です。
この詩編137編が描いているのは、辛い捕囚時代のことです。南ユダ王国は新バビロニア帝国の手によって紀元前587年にその首都エルサレムが陥落されてしまいました。主だった人々はバビロンに連れて行かれ、異国の地での生活を余儀なくされたのです。この詩編はその時代のことを歌った悲しい歌です。
しかし、この詩編の悲しみはただ国が破れたことの悲しみではありません。異国の地で聖なるまことの神への賛美の歌を世俗の余興のために歌わされようとする悲しみです。せめてもの抵抗に竪琴をほとりの柳の木々に掛けたのです。皮肉なことにイスラエルの民は苦しみの中にあって、初めて神を礼拝する恵みと自由の大切さを思い知ったのです。
しかし、今はイエス・キリストにあっては恵みのときです。神を心から礼拝する恵みが与えられているのです。
それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。