おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
今朝は旧約聖書詩編の第119編139節の言葉です。
「わたしの熱情はわたしを滅ぼすほどです 敵があなたの御言葉を忘れ去ったからです。」
自分を滅ぼすほどの熱情とは随分激しい表現です。そもそも、熱心すぎて自分が焼き尽くされてしまう程の熱情を、どうしてこの詩編の作者は抱くようになったのでしょうか。この詩編の作者は語ります。
「敵があなたの御言葉を忘れ去ったからです」
この詩編の作者は神の言葉を忘れ去ってしまう者たちを、許しがたいと感じているのです。神がそのような不遜な者たちを嘆かれる以上に、その不遜さに心を痛めているのです。
その昔、ユダヤには熱心党と呼ばれる宗派がありました。神の言葉に誰よりも熱心であることを自称する者たちの集団です。あまりにも熱狂的で過激的だったので、ついには民族を自滅に追いやるほどでした。もちろん、いくら熱心でも、自滅したのでは意味がありません。
この詩編の作者の熱情は、自分を滅ぼすほどだとは言っても、ほんとうに自分を滅ぼしてしまう熱心さを賞賛しているのではありません。この詩編の作者が求めていることは、神の言葉を心から慕い、神の言葉への愛によって生きることです。
神の言葉を忘れ去り、聖書に無関心な時代であればこそ、聖書に対する熱情的な生き方が求められているのです。
それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。