いかがお過ごしでしょうか。湘南恩寵教会の鈴木牧雄です。けさも最初に聖書の言葉に耳を傾けたいと思います。フィリピの信徒への手紙3章13節からです。
「なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ、神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。」
「賞を得るためにひたすら走る」と言われると、真面目な人ほど、「自分は愛も謙遜もまだまだだ。もっとがんばらなくては」と反省しがちですが、このかけっこのたとえは、クリスチャン同士競わせ、1等賞を目指して苦しくても励むよう叱咤激励しているのでしょうか。
そうではありません。このかけっこのたとえは、速さや順番でなく、「後ろのものを忘れ、前のものに全身を向け」ること、つまり、ゴールを見定め脇目も振らずにゴールに向かっていくことのたとえです。神がお与えくださる賞とは何でしょうか。キリストの救いの恵みです。これが最高の賞です。そして、この賞は、人生の歩みの目標をキリストに定めさえするなら、一番でなくても必ずいただくことができます。
信仰の歩みは、人生の競争とは違います。亀のような人は遅くてもかまいません。蛇のような人はクネクネしたとしても大丈夫です。他人と比べてがんばれなくても、キリストという最高の賞に向かっているかぎり、必ずゴールさせていただけます。脇目も振らずにキリストをまっすぐに見上げる心、それが神の喜ばれる信仰です。