いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
新約聖書コリントの信徒への手紙一の1章18節以下は、人の知恵と比較しながら神の知恵について教えています。神は人の知恵についてこう言っています。
「わたしは知恵ある者の知恵を滅ぼし、
賢い者の賢さを意味のないものにする」
人に知恵を与える方は神様です。その神様が人の知恵に限界をもうけ、知恵を滅ぼすというのです。その意味は、いろいろとあげることができますが、旧約聖書ヨブ記の12章1節に「確かにあなたたちもひとかどの民。だが、死ねばあなたたちの知恵も死ぬ。」とあります。そして12,13節にはこう記されています。
「知恵は老いた者と共にあり
分別は長く生きた者と共にあるというが
神と共に知恵と力はあり
神と共に思慮分別もある」
人の知恵の限界は、人は死なねばならないという点にあります。人生の経験を積んで、老人には知恵と分別があるといわれます。それは本当のことです。けれども、老いは死をひかえた人生の終末期です。タレントの黒柳徹子さんが、「ひとりの人が亡くなるのは図書館が一つ失われるようなものです」とおっしゃったことがあります。そのとおりだなあと思います。
コリント書の1章には、人の知恵に対する神の愚かさが教えられています。その神の愚かさは、ひとり子を十字架に掛け、死と復活によって人を救う神の知恵のことを言っています。ここには、死によって無に帰するどころか、死によって人を死と滅びから救う神の真理があります。どうか、聖書を読み、神の知恵と真理を受け入れてください。