詩編のことばとこころ 2005年6月5日(日)放送

山下正雄 (ラジオ牧師)

山下正雄 (ラジオ牧師)

メッセージ: 「主の翼の陰に」(詩編57:2)

 おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。

 今朝は旧約聖書詩編の第57編の言葉です。

 「わたしの魂はあなたを避けどころとし 災いの過ぎ去るまで あなたの翼の陰を避けどころとします」

 悪に勇敢に立ち向かうこと、それは素晴らしいことです。しかし、手も足も出ない、何もできない時もあります。そういうとき、自分にもどかしさを感じます。情けない気持ちになってきます。無力感に襲われ絶望的になってきます。

 この詩編の作者がおかれている状況は、吠えたけるライオンの群れの中におかれたように、手も足も出ない無力な状態です。自分を苦しめる者たちの歯は槍のように、舌は剣のように鋭いのです。何を言っても通じそうもない相手です。このどうすることもできない状況の中で、この詩編の作者は悟ったのです。

 「わたしの魂はあなたを避けどころとし 災いの過ぎ去るまで あなたの翼の陰を避けどころとします」

 台風のとき、家に閉じこもってじっと嵐が過ぎ去るのを待つように、神の翼の陰で、災いが過ぎ去るのをじっと待つことの大切さを知ったのです。たとえ自分に何もできないとしても、失望したり慌てふためいたりする必要はありません。神がその翼でわたしたちを覆ってくださるからです。雛鳥を翼の陰に隠して守る親鳥のように、神はわたしたちを守ってくださるからです。

 自分の無力を嘆くのではなく、自分を覆ってくださる聖書の神にすべてを委ねて歩みましょう。

 それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。

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