いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
ルカ福音書2章8節以下に、主イエス・キリストがお生まれになったその夜、野宿をしていた羊飼いに天使が現れ、救い主の誕生を告げた場面が描かれています。
夜、焚き火を囲んで野宿する羊飼いたちの姿は、美しいシルエットとなって、クリスマスに深みを与えています。
さて、聖書には、闇に特別な意味が込められている場合があります。闇とは死の影であり、光のない絶望的な有様を象徴的にあらわします。ルカ福音書1章78、79節では、キリストによって与えられる神の救いを次のように表現しています。
「高い所からのあけぼのの光が我らを訪れ、暗闇と死の影に座している者たちを照らし、我らの歩みを平和の道に導く。」
闇に沈む羊飼いたちは、のどかな羊飼いではなく、絶望のふちに沈む人をあらわしているのです。世の中には、さまざまな事情で、神にも人にも見放されたように生きている人、金銭に豊かであっても心の中は暗闇、という毎日をすごしているような人もいることでしょう。人の一生は短いものです。その終りを意識したとき、人生の意味を見出せないで悩む人もいるかもしれません。
暗闇に座す羊飼いに天使は告げました。「わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。」
イエス・キリストの誕生は、誰のためでもない、あなたのためです。キリストのもとに進み出て、救いの光を得てください。