あさのことば 2005年11月30日(水)放送     あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

木村香(川越教会牧師)

木村香(川越教会牧師)

メッセージ: 「苦しみを越えて」

 いかがお過ごしでしょうか。川越教会の木村香です。

 イエス様のところに一人のお父さんが駆け込んできました。12歳になる一人娘が死にかけているから、助けていただきたいとお願いします。その願いをお聞きになってイエス様はこのお父さんの家に向かわれます。ところがそこに邪魔が入ります。12年間も長い病気を患っている女の人が、助けていただきたいとイエス様の服にさわるのです。それでイエス様はその女の人と話を始められます。お父さんの方は気が気ではなかったと思います。子供が大きい病気をすると親は苦しみます。代われるものなら代わってやりたい、と。この人の場合は小さな娘が死にかけている。一分一秒を争うのにイエス様は何をぐずぐずしておられるんだ。

 人生にはいろいろな形で苦しみがやってきます。長患いの女の人は人生の多くを苦しんできたという、時間の長い苦しみ。一方お父さんの方は時間は短いかも知れないが、苦しみの深さは計り知れない、そういう苦しみを味わっています。しかし、二人共に、この苦しみのためにイエス様に出会い、救われるというこの上ない幸いな体験をすることになるのです。苦しみの中にある人にはその苦しみの意味は分かりませんけれど、神様は苦しみを通してさえわたしたちに幸いを、特にイエス様との出会いを用意されることがあります。人間には究極的な意味で病気も死も克服することはできません。苦しみの源が残るのです。それを解決できるのはイエス様だけです。このお方は苦しみ、死なれましたからわたしたちの苦しみや死を理解することがおできになります。それだけでない、甦って死を滅ぼされた、わたしたちの苦しみを解決する力をお持ちのお方です。

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