いかがお過ごしでしょうか。川越教会の木村香です。
イエス様がナインという町に行かれた時のことです。お葬式に出会いました。お母さんが一人息子を亡くして、葬ろうとしていたのです。お母さんはご主人を先に亡くして息子と二人きりの生活でした。やっと成長した息子の死です。母としての最大の悲しみでしょう。これから、という望みがすべて打ち砕かれてしまいました。
イエス様はこの母親をご覧になって、「もう泣かなくともよい」と言われます。わたしたちも悲しみの中にある人に向かって同じことを言いますね、「泣かないで下さい」。悲しいけれど耐えましょう。考えてみればずいぶん冷たい言い方です。どうにもならないのだから、と言っているからです。けれど、それは悲しみの原因である死に対して何の力もないわたしたちの限界です。
イエス様はそうではありません。泣かなくともよい、と言われると、泣かないでいいようにして下さるのです。棺に手をかけられます。そして若者に向かって、起きなさい、と言われます。この一言で若者をを生き返らせて下さるのです。大変不思議な奇蹟ですけれど、イエス様の力がよく示されています。イエス様のうちには満ちあふれる命があります。その力によって人を生かすことがおできになるのです。
この世のことを憂き世、辛い世の中、と言うことがあります。わたしたちの人生は苦しいこと、悲しいことが満ちているかも知れません。しかしイエス様は、希望、喜びを与えて下さいます。イエス様は一度死に、しかし甦って今も生きておられる神の御子です。死に打ち勝たれたお方です。そのお方が、あなたに向かって、悲しみから立ち上がりなさい、と言って下さいます。