お元気ですか。横浜中央教会の立石章三です。
「人を叱る時は3回深呼吸せよ」という言葉があります。口から怒りを飛び散らせたくなる時でも、相手の心を配慮することが大事です。パウロがテモテに書いた手紙の中で、教会のトラブル・メーカーの人々を名指しせず、「ある人々」と呼びます。この手紙が朗読された時のことをちゃんと考えて配慮しているのです。
けれども同じ手紙の中で「ある人々は正しい良心を捨て、その信仰は挫折してしまいました。その中には、ヒメナイとアレクサンドロがいます」と、パウロは名指しで個人を非難しています。あれだけ人の心を配慮するパウロが、ここでは個人の名前をあげるほどに、怒りに燃えているようです。一体何があったのでしょうか。
それは分かりません。しかしこの二人は信仰を捨てたばかりか、神を平気で冒涜していたようです。このような時、パウロは決して容赦しません。教会に間違った教えが入り込む時、教会は黙っていてはいけないのです。しかし人を非難し除名する前に、私たちはしなければならないことがあります。イエスはこう教えておられます。「兄弟があなたに対して罪を犯したなら、行って二人だけのところで忠告しなさい。聞き入れなければ、ほかに一人か二人、一緒に連れて行きなさい。それでも聞き入れなければ、教会に申し出なさい。教会の言うことも聞き入れないなら、・・・」そうここで、最後の手段が待っているのです。
さらに、この法則を今の時代にそのまま当てはめることも難しいでしょう。パウロなら誰が間違っているのか、どう間違っているのか分かるでしょう。しかし私たちはパウロではないのです。イエスは言われました。「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである」。