ご機嫌いかがですか。日本キリスト改革派教会の牧師、足立です。
あなたは、本を2冊選ぶなら、何を選びますか。私は聖書と石川啄木の短歌「一握の砂」です。啄木は、その本の中で「どんよりとくもれる空を見てゐしに人を殺したくなりにけるかな」と、歌っています。
怖い歌ですね。でも人の心を捉えた歌です。人だけが人を殺そうと思い、人を殺すのです。
私は曇り空を見て、人を殺そうと思ったことはありません。だが人を憎み、殺したいと思う心を持っています。それは、人を呪うことでもあります。
新約聖書のローマの信徒への手紙12章14節に、パウロが言っています。「あなたがたを迫害する者のために祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪ってはなりません。」
人類の先祖アダムが人を殺し、彼の子たちが殺しあって以来、私たちは啄木が歌うように生まれながらに人を憎み、殺したいと思う心を持っています。
神の子、キリストは私たちのために死なれました。神は私たちを愛してくださいます。だからパウロは、私たちに人を憎み、殺し、呪うことから解放されている、十字架のキリストによって、と語りかけているのです。