ご機嫌いかがですか。日本キリスト改革派教会の牧師、足立です。
あなたは本を2冊しか持てないとしたら、何を選びますか。わたしは聖書と石川啄木の歌集『一握の砂』を選びます。
石川啄木は歌集『一握の砂』の中で「働けど働けど 猶我暮らし楽にならざり ぢっと手を見る」と詠っています。彼は死ぬまで貧しさと戦わねばなりませんでした。
今わたしはこの歌に共感を覚えています。わたしも生活のために一日朝早く夜遅くまで働いています。しかし、生活は楽ではありません。こんなに働いているのにと、わたしは疲れた手を見ます。
旧約聖書の創世記3章19節に、この生活苦の原因と解放の喜びが記されています。人類の先祖アダムが神にそむいて罪を犯しました。神はアダムに言われました。
「お前は額に汗を流してパンを得る。土に帰るときまで。」
以来、人類は啄木が詠うように労苦し、自分の手を見るのみです。だが、神は「死ぬまでだ」と約束されました。その約束はキリストが人類の罪の身代わりに死なれ甦られた今実現しました。わたしたちはキリストを信じて、この世の労苦から解放され、永遠の命に生かされるからです。