お元気ですか。新座志木教会の弓矢健児です。
イエスはルカによる福音書の6章27節で「敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい」とおっしゃいました。しかし、わたしたちは日常の経験から、それがいかに困難なことであるかを知っています。
アメリカの黒人解放運動の指導者で、ノーベル平和賞を授賞したキング牧師は、その説教の中で「おそらくイエスの訓戒の中で『汝の敵を愛せよ』という命令に従うこと以上に難しいことはないであろう」と語っています。
しかし、イエスは決してそれが困難を伴なう行為であることを知らなかったのではありません。それどころか、イエスは敵を愛することの困難さ、厳しさを誰よりもよく知っておられたのです。けれどもイエスは、この敵をも愛する愛によってしか、わたしたちが救われて神の子となる道はないのだ、ということをも知っておられたのです。そのために、イエスご自身がその愛に生きてくださったのです。
イエスを憎み、迫害し、殺した敵、それは他でもない、わたしたち人間です。しかし、イエスはその敵であるわたしたちを罪から救うために、わたしたちを愛し、十字架でご自分の命を捨ててくださったのです。
このイエスの愛の中で日々育まれつつ、わたしたちもまた敵をも愛する愛に生きる者でありたいと願います。